事務所通信2019年4月号
4月から労働時間の状況の把握が義務化!
~出勤簿への押印だけではダメ!~
事業主(経営者)は、例えば、残業時間(残業代)を算定するには、必然的に従業員の労働時間の状況を正しく把握しなければなりませんが、労働基準法上は明文化されていませんでした。しかし、長時間労働の是正などを柱とする働き方改革関連法のなかで、労働安全衛生法が改正され、労働時間の状況を把握する義務が明文化されました。罰則はありませんが、労働基準法と合わせて、経営者の責務がより明確化されました。
労働時間の状況の把握方法は、具体的には、次の方法によります。
①使用者が、自ら現認することにより確認する。
②タイムカード、ICカード、パソコン使用時間の記録等を基礎として確認し、適正に記録する。
消費税:レジ等の対応に補助金を活用しよう!
~補助率や対象が拡大!~
消費税の軽減税率の実施に伴い、複数税率に対応したレジの導入や電子的受発注システムの改修が必要となる中小事業者を対象に、その費用の一部を補助する「軽減税率対策補助金」があります。 本年から制度が拡充され、新たに「区分記載請求書等保存方式」に対応したシステムの改修・機器の導入の費用が補助対象となったほか、補助率の引き上げ(3分の2から4分の3)や、対象業種の追加(旅館・ホテル等の一部)が行われました。 申請は、事業者自身が行う場合は、9月30日までに導入・改修、支払いを完了し、12月16日までに申請します(事後申請)。あるいは、改修等を指定事業者に依頼する場合は、6月28日までに交付申請を行います。
資金繰りの落し穴
急激な売上の増加や落ち込みには要注意!
一般に、取引は掛け(掛売上、掛仕入)で行われるため、売上の増加に伴って売掛金も増加し、売上の増加に先行して仕入れも増え、買掛金も増加します。通常は、売掛金の回収と仕入れ・販管費の支払いのサイトにズレがあるため、利益と資金は一致しなくなります。帳簿上は利益が計上されていても、資金が残っているとは限りません。
売上が急激に伸びたときは、仕入も急増しますから、資金繰りが厳しくなります。反対に、売上が急に落ち込んだときは、仕入の減少とともに買掛金が減少し、さらに売上が順調な時の売掛金が回収されることから、一時的に資金繰りが良くなることがあります。これを「業績が良い」と錯覚すると、落ち込みへの対応が遅れることがあります。
(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方には「・・・ニュース」を送らせていただきます)