事務所通信2017年5月号

決算の確定と株主総会の開催 ~決算の基本の「き」を学ぶ⑥~

 株主総会では、決算の承認、役員の選任、剰余金の配当、定期同額給与の改定、定款変更などの重要事項を決定します。役員の選任(改選)を行った場合は、必ず変更登記を行いましょう。登記を怠ると、過料の制裁があります。
 総会後は、議事録の作成・保存が義務付けられています。税務調査では、定期同額給与の改定や事前確定届出給与の支給などについて、株主総会の議事録がチェックされます。
 同族企業であっても、毎期、株主総会を開催して、決算内容を報告し、業績を客観的に確認することを続けることで、緊張感をもって経営に臨みましょう。

マイホームを購入・新築、リフォームするときの税制の特例

 「所得税の住宅ローン控除」「住宅取得等資金の贈与税の特例」は、消費税率の引上げ延期に伴い、措置の見直しが行われています。
 住宅ローン控除は、適用期間が平成33年12月31日まで延長されています。
贈与税の特例については、適用を検討される方は注意してください。消費税率の引上げ延期に伴い、省エネ等住宅を取得する場合の非課税枠最高3,000万円(消費税率10%が適用される方)の適用が延期されています(平成31年4月~32年3月まで)。
 そのほか、平成29年度税制改正では、特定の増改築等に係る税制優遇措置について、耐震改修・省エネ改修に加えて、一定の耐久性向上改修(劣化対策、維持管理・更新の容易性の確保)を減税の対象にした「長期優良住宅化リフォーム減税」が創設されました。

社員の60歳以降の働き方を考える

 現在の法令では、社員が60歳以降も引き続き雇用を希望する場合には、会社は、原則として雇用しなければなりません。
60歳以降の雇用について、年金支給や高年齢雇用継続給付の活用も踏まえ、経営者と社員が話し合って、
①引き続きフルタイムでの勤務
②勤務日や勤務時間を減らすなど労働条件を見直した働き方
③退職
から選択することになります。
 今後、会社側の人材確保、従業員の年金支給開始年齢の引き上げによる収入確保の問題、などから継続して働く人が増加するでしょう。会社としても、社員の合意のもと、定年延長(60歳→65歳)、継続雇用、定年廃止などの制度を整備しなければなりません。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方には「・・・ニュース」を送らせていただきます)